倒れたルドベキアに蝶が
旦那さんが定年になったら田舎に住むことにしたという友だちに訊いてみた。
「周りに知っている人がいなくて寂しくないの?」
「海外に行けばいつもそうだから」と友だちは言う。
「それにね、わたしは窓辺に座って、ぼーっと外を見ているのがいちばん幸せ。
窓から空とか緑とか見えて小鳥の声なんか聞こえてきたら最高」
わたしはどうだろう?
田舎に行くたびに、父母がわたしたちにそばにきてほしいと思っているのが伝わってくる。
ふたりとももうすぐ80。
身体のあちこちに問題を抱えながら今でも現役で農業をしてはいるが、
いつまでも続けられるわけではないだろう。
後継ぎは弟に決まっているが同居はしていないし、弟たちに子どもはいない。
だから父は不安なのだろう。
それはよくわかるけど、わたしには夫がいるし孫たちには孫たちの人生がある。
夫が定年になっても、わたしの仕事には定年がない。
でも収入はわずかだし家計を支えているわけではないのでいつでも辞めようと思えば辞められる。
でもやろうと思えば、元気である限りいつまででもできる。
それにわたしには仕事が必要だ。
わたしの代わりはいくらでもいるけれど、少しは誰かの役に立っている(かもしれない)、
そう思えることがわたしにはどうしても必要なのだ。
東京に何十年住んでもいつまでも田舎者でちっとも洗練されないわたし。
都会と田舎とどちらが好きかと訊かれれば「田舎!」と即答するだろう。
だけど故郷に行ったら友だちがいなくなる。仕事もできなくなる(だって免許がない)
好きなことは大抵ひとりでできることばかりだから、そういう意味では全く問題ないけど
仕事も友だちもないのはわたしには耐えがたい気がする。
(まあ、万が一そうなったら何か探すけど)
わたしの幸せはなんだろう?と考えてみて改めて思う。
わたしの幸せは、人との関わりの中にあるのかもしれない、と。
あなたの幸せは何ですか。